第3回  ぎっくり腰

1. ぎっくり腰と普通の腰痛の違い。

寒くなると、ぎっくり腰を起こす人が多くなります。ぎっくり腰は「魔女の一撃」ともいわれ、いきなり起こる激痛を伴う腰痛です。ぎくっときた瞬間から、もう痛くて動けなくなり、そのままの姿勢から身体を元の状態に戻すことすら出来なくなります。ぎっくり腰は、いわゆる「腰痛」と言われている症状とは、少し違います。
ぎっくり腰は、「筋膜性腰痛」といわれ、わかりやすく言えば腰が捻挫を起こした状態です。それは、いわゆる腰痛と言われている、腰椎の関節部分の筋肉疲労による疼痛とは違って、筋肉の断裂による炎症です。普段腰痛でない人にも生じ、だいたい腰の片方だけに起こり、一度生じると、その側だけに何度も生じやすくなったりします。


2. どうしてぎっくり腰になるの?

ぎっくり腰には、3つの要因が重なったときに生じやすくなります。それは、「冷え」・「疲労」・「暴飲暴食」です。
 「冷え」は、腰の筋肉の血行の悪さを引き起こし、老廃物がたまり新陳代謝の悪い筋肉は弾力を失って、ちょっとした力が加わっただけでも捻挫を起こしやすくなります。また「疲労」していると、身体は2つある自律神経のうち、交感神経に傾きます。交感神経は、血管を収縮させたり、血液の成分である白血球の顆粒球を増やしたりします。顆粒球の生み出す活性酸素は腰部の筋肉の組織破壊を引き起こします。さらに、「暴飲・暴食」で、消化のために内臓に血液が多くとられて、腰部にまで回らなくなり、腰部の筋肉が虚血状態になります。
 以上のような3つの要因が重なるのは、ちょうど年末年始のこの時期。寒く、仕事やいろいろな行事で身体は疲れ、忘年会・新年会のはしごで暴飲暴食になりがち。。。。
ある朝、ちょっと床に落ちたものを拾おうとした瞬間に、ずきーん、と魔女の一撃が襲ってくるのです。

 3. ぎっくり腰になってしまったら。治療と対策。

 ぎっくり腰になってしまったら、とにかく安静が第一。じっとして寝ていることが、ぎっくり腰に一番の療法です。そして、その直後1日ぐらいは、患部をよく冷やして炎症を取るようにしてください。冷シップには、痛みをとるために血流をとめますので、その後は、血流をよくするために、温シップもしくは、ホカロンなどを患部にはるなどして、十分に暖めるようにしてください。お風呂は、直後は炎症を悪化させるのでさけ、炎症が治まったときから積極的に入るようにしてください。ぎっくり腰は、筋肉の断裂で炎症なのですが、筋肉の修復のためには、血流を良くすることが必要だからです。
鍼灸の治療は、直後にするよりも、炎症が治まった1日経ったぐらいのほうが、血流を良くするという意味で、効果が高いです。また、ぎっくり腰が直った後も、鍼灸によって、十分血流をよくしておかないと、治ったあとが硬いしこりのようなものができてしまい、また、同じような状況が重なったときに再発しやすくなります。それを防止するためにも、鍼灸治療は有効です。
また、ぎっくり腰は、身体のSOSのサインです。そのままの無理な状態を続けていると、大きな病気を引き起こすということを、痛い一撃で教えてくれたのだと思って、十分に静養して、3つの要因を取り除くようにしましょう。