第5回   今月は「首・腕の痛みやしびれ」

1.頚椎から出ている神経の圧迫が、痛みやしびれの原因

 首から肩・腕にかけて、痛みやしびれの症状に悩まされていませんか?それは、肩こりや、いわゆる五十肩の痛みや重だるさと区別がつきにくいものですが、病の原因が異なります。首や腕の「ずきんずきんとした痛み」と「びりびりするしびれ」の両方の症状は、肩こりや五十肩には生じません。肩こりや五十肩は、またの機会に解説するとして、今月は、首・腕の痛みについて取り上げます。
首・腕痛の原因は、頚椎(首の骨)から出ている神経や血管が、様々な要因によって圧迫され、循環障害を引き起こされることによって生じる炎症です。

2. 神経の圧迫部位によって、2+1に分類

 首腕の痛みは、神経の圧迫部位によって、「頚椎神経根症」・「胸郭出口症候群」の2つ、そして、首腕の痛みがありながら、上のいずれかの分類基準に属さない「頸肩腕症候群」の2+1に分けられます。どの症状も、首から肩・腕にかけての痛みやしびれなどの症状があります。頚椎の間から出ている神経は、鎖骨と胸骨の間をぬけ、腕から手・指先までいきます。「頚椎神経根症」は、神経の圧迫部位が頚椎の間の部分、「胸郭出口症候群」は、首の付け根と鎖骨の間の部分です。「頚椎神経根症」は、首を回したり、ねじったりすることにより、痛みやしびれが増大しますが、「胸郭出口症候群」は、首の動きによって変化せず、鎖骨の付け根の特定部分を圧迫すると痛みを生じる特徴があり、また、しばしば手指の冷感やチアノーゼなどがみられます。「頸肩腕症候群」は、首・腕の痛みしびれがありながら、上2つの症状のような特徴をしめさないいわば、「その他」のようなものです。

3. 神経圧迫の原因

  神経が圧迫される原因は、「頚椎神経根症」の場合、老化や事故などによる、頚椎の骨棘の発生、椎間板ヘルニアなどです。よって、事故以外の「頚椎神経根症」は、40代後半から50代にかけて多く発症します。一方「胸郭出口症候群」は、20代から30代にかけての、なで肩の女性に多く発症します。これは、この症状が、肩・腕を支えている首の筋肉の付け根の部分の圧迫により引き起こされるからだと思われます。

4. 鍼灸による、首・腕の痛みやしびれの治療

 痛みやしびれは、神経圧迫による循環障害によって引き起こされます。鍼灸治療によって、血流や水分代謝を良くする効果のあるツボを刺激することで、血流や水分代謝をつかさどっている自律神経やホルモンバランスを調節します。また、免疫力を高めることによって、細菌やウィルスが引き起こす炎症を予防します。ストレスや老化などによる免疫機能の弱体化は、身体のいろいろな部分に炎症を引き起こします。
首や腕の痛みの鍼灸治療効果は高く、3〜4回の鍼灸治療で痛みやしびれはかなり改善されます。