第6回   今月は「膝関節痛(炎)」です

1.突然の膝の痛みや腫れ

 近頃歩くと、足がだるくなったり、膝が痛くなったりするようになってきたなと感じていると、ある日、突然膝が腫れ(水腫)、熱を帯び、痛くて歩けなくなったり、階段を上り下りできなくなってしまった。。。そのような症状に悩まされていませんか?
膝関節炎は、50歳過ぎの、主に女性が多くかかる関節炎です。
膝の関節は、滑膜包で覆われ、浸出液で満たされたその内部には、膝関節(骨)・靭帯・その間にクッションのような膝軟骨があります。膝関節炎は、長年に渡る関節の磨耗により、軟骨が少しずつはがれ関節は不安定になり、さらに、それを補うために関節辺縁部では、肥大増殖がおこり、増殖した軟骨は、骨化して骨棘を形成します。滑膜は、突出した骨棘や、軟骨の破片によって、摩擦が増大し、滑膜炎を引き起こし、それが、関節水腫や、痛みの原因になります。

2. 膝痛の平均発症年齢は、54歳。女性:男性=5:1

 なぜ膝関節炎が、50歳過ぎ(閉経前後)の主に女性に多く発症するのでしょうか?それは、一言でいえば、「保護機能が衰えてきたため、組織破壊に修復が追いつかなくなった」からです。
膝関節組織は、日常の歩行・屈伸において磨耗・破損しますが、緩衝の役目をする滑膜のコラーゲンが十分にあり、関節に送り込まれる血液の流れがスムーズにおこなわれているならば、速やかに修復されます。女性ホルモンは、このコラーゲン分泌を助ける働きがあり、女性ホルモン減少にともなって、その分泌の減少を引き起こされることが、閉経後の女性に膝関節炎が多く発症する原因となります。また、ホルモンバランスの乱れが、足の冷えなど、血液循環不良を引き起こしやすくなります。さらに、下腹部を支えている筋肉の衰えのために、内臓が下垂するため、下肢の血管を通るそけい部が圧迫され、膝の血流を増悪させます。

3. 治療は、破損組織の回復とホルモンバランスの改善を目的

  鍼灸による膝関節炎の治療は、以上のような機序から、組織回復のための血液循環の改善・ホルモンバランスの調節・内臓下垂の抑制を目的に、効果のあるツボに、鍼灸(膝痛の場合は特にお灸の治療効果が高い)治療をいたします。骨棘そのものは、無くすことはできませんが、膝周辺組織が回復されることにより、痛み腫れなどは消失していきます。治療期間は、発症後間もない場合は、2〜3ヶ月、何度も膝関節炎を繰り返して、かなり変形が進んだ症状の場合、1年以上にわたる気長な治療が必要となります。