第9回   今月は「扁桃の病」です

1. 扁桃(腺)とは何か?

 幼いころ風邪をひくと、扁桃腺が腫れて、喉が痛くなり、高熱が出る症状に悩まされませんでしたか?
扁桃腺の構造は、口の奥をぐるりと輪になって、5つの扁桃がとりかこんでいます。この扁桃輪は、空気の汚れと、口から入る異物を浄化する働きがあります。扁桃輪には、白血球の造血巣があり、からだに入ってくる雑菌・ウイスルを捕らえて消化し、からだに無益な形にします。
つまり、風邪を引くと、ウイルスが口や鼻から侵入し、それが、からだの防波堤である扁桃輪にある白血球に捕らえられ、その結果熱が出たり、白血球の残骸が扁桃の炎症を生じるのです。
そのように、扁桃輪は、たえず、からだに入ろうとする異物を排除しています。しかし、多量の細菌・ウイルスに始終曝されたり、白血球の造血がうまく働かないと、白血球は、ウイルスや細菌を抱えたまま消化することが出来なくなり、異物を取り込んだ白血球は、未消化なまま、からだ全体に運ばれ、様々な組織を破壊するようになります。


2.扁桃が引き起こす病気。どうして引き起こされるのか?

 そのような、扁桃の不活性化によって引き起こされる病気には、様々なものがあります。風邪を引く前や、引いた後に、腰や膝が痛くなったり、手足の関節が炎症を起こしたりするのも、ウイルスや雑菌を抱えた白血球が、からだのそれらの個所に運ばれて、炎症を引き越したからです。
また、扁桃の働きは、からだが疲労したときや、更年期などに弱体化するので、白血球がうまく作られなくなり、ウイルスや細菌を捕らえることができなくなり、様々なからだの不調の原因になります。このように、さまざまな病気の根本的な原因に、扁桃の不活性化があり、扁桃の働きを良くすることで、それらの病気にかかりにくくなります。


3. 鍼灸治療では、扁桃治療をすべての治療の基礎に。

 鍼灸治療は、ずべての治療で、本治法と標治法の両方の治療を行います。本治法とは、すべての病を引き起こしている原因を、免疫力・生命エネルギーの低下ととらえ、それを司っているとされる「腎(腎臓の機能)」の強化と、扁桃の強化の治療を行います。そのようにからだの自然治癒力を高めたうえで、局所(標治法)の痛みをとる治療を行います。具体的には、経絡の腎経のツボ・扁桃に効くツボを中心に治療を行います。 そのように、からだが本来もっている免疫力が活性化されるために、鍼灸治療を続けていると、辛い症状がとれてくると同時に、「風邪をひかなくなった」「疲れにくくなった」というからだの変化も体験することが出来ます

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